……そういえば。

この前、家でなんとなく見ていたサスペンスドラマでこんなシーンがあった。


お金持ちの家の奥さんが、旦那さんが仕事で部屋に篭ったままなのを思い出して。

『あなたー? そろそろ休憩したらいかが?』なんて部屋に入ったら……


そこにはおびただしい量の血を体から流した旦那さんの死体が!


いや、さすがにそんな非日常なことが水樹先輩に起こるなんてありえ──


「……なくは、ない?」


思わず声となり漏れてしまう。

ドアを開けたら死体はないかもしれない。

だけど……

水樹先輩の存在自体が、なくなっていたら?

……だ、大丈夫だよね。

だって、三重野先輩が起こしてきてって。

水樹先輩のことを話してたんだもん。

消えたりなんか……してない。

してないと願いつつ、不安になりながら私はそっとドアを開けた。

すると、そこには。