「ここから5分もしないから。制服、乾かして帰るといいよ」
「や、でもそんなっ」
「あ、気を使わなくていいよ。今日は両親デートで遅いらしいから」
いやいやいや!
むしろ、ご両親がいない方が、緊張してどうしていいかわかりませんっ。
「気にしないでくださいっ。私のはそのうち乾くので、先輩こそ早くお家に帰って──」
「ダメ。その……真奈ちゃんは女の子だから、そのままの格好じゃダメ」
そんな風に言われて、私はやっと……
やっと気付いた。
先輩がどうしてさっきからこっちを見ないのか。
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