そもそも神隠し自体が普通じゃない。

それなら、存在が消えてしまうことも十分にありえるよね。

……なんて思考を廻らせていたら。


「えっ、モッチー? 何その情報」


赤名君が驚いた顔で私を見つめた。

どうやら私と水樹先輩以外の生徒会メンバーは初めて知る情報らしく、瞬きを繰り返したり、不思議そうに眉を寄せたりしている。


「えっ、えっ?」


みんな知ってるのかと思ってたんだけど、まさか言っちゃダメだったとか!?

心配になって水樹先輩を見ると、彼は安心させるような優しい笑みを浮かべる。


「別に俺は隠してたわけじゃないから、そんな顔しないでいいよ」


よ、良かった!

でも、そうだよね。

隠すようなことだとしたら、先に内緒だと言うだろうし。


安堵し肩を下げると、会長が「それにしても」と喋りながら水樹先輩に視線をやる。


「水樹はどこでそのレア情報を手に入れたんだ?」