「冷たいなー、玉森……あ。会長。玉森が見た女の人のことは?」
赤名君が尋ねる女の人とは、昨日の晩、藍君が見たという人のことだ。
三重野先輩は、カキ氷を食べ終えて立ち上がった藍君に視線を向ける。
「確か、うちの制服を着ていたのよね?」
問われて、藍君は頷いた。
そうなのだ。
昨日、時間がきて合流してから聞いた話だと、女の人は瑚玉学園の制服を着ていたらしい。
しかも、目撃したのは生徒会室前の廊下だけでなく……
「2度目は屋上……だったっけ?」
今度は水樹先輩に聞かれて。
「そうっス」
再び頷く藍君の表情は、昨日の夜に見た何かを探しているようなもの。
藍君が2度目に目撃した時は一瞬じゃなく数秒見えていたとか。
一緒にいた赤名君は気付かなかったらしいけど……