「神隠しに関係している可能性はある」
会長の言葉に、私はコクリと頷いた。
"隠され"
"想いが、願い"
"の大切な人を。大切な、誰かを"
途中、読めない部分があったけど、改めて見ても不思議なメッセージ。
神隠しの事を知らずに見たなら首を傾げて終わりだろう。
だけど、神隠しについて調べようとしている私たちには、どうしたって関連しているように見えてしまう。
そうだと仮定した場合、『隠され』が神隠しのことだとしたら、『想い』や『願い』という言葉は何を示すのか。
大して良くない私の頭で必死に考えていると、赤名君がストローを唇に添えながら言う。
「図書室に残すということは、学園の生徒が書いたってことですよねー?」
その質問に答えたのは、私と同じく浴衣に身を包んだ三重野先輩だ。
「もしくは教師や用務員という可能性もあるでしょうね」
三重野先輩が言い終えれば、髪にささる浴衣と同じ緑色のかんざしが揺れる。