「ひゃあっ!?」


驚きと恐怖で、無意識に隣にあった何かにしがみついてしまう。


「ビックリした……。どうしたの?」

「な、何か今、うううう動いてっ」


水樹先輩に教えようとその方向を指差すと、先輩は光を当てて……


「……プッ」


笑った。


「大丈夫。鏡があるだけだよ」

「……え?」


言われて恐々と確認すれば、そこには確かに鏡があって。

その鏡には、水樹先輩と、先輩の腕にしがみつく私の姿が映っていた。


「な……なんだぁ~」


安心して強張っていた体の力が抜ける。

私ってば、鏡に映った自分にビックリしたとか、そりゃ先輩も笑っちゃ……


って!?


私っ、水樹先輩にしがみついてるっ!