引き攣った笑顔を浮かべている赤名君。
どうやら私と同じく怖い想像をしているようだ。
そりゃそうだよ。
髪の長い女の人がいた……だなんて、ゆ、幽霊じゃないのかって思うのが普通だ。
だから私も気のせいであってほしいのはやまやなんだけど……
「……今の……」
藍君が、見てしまった何かについて、思いを廻らせているところを見ると、気のせいではないのだろう。
しかも、心なしか元気がない。
や、藍君はクールでいつも落ち着いてる人だから、元気いっぱいの姿なんて見たことないんだけど。
ただ、今の藍君は、なんとなく……
そう。
なんとなく、寂しそうで。