『センタクシテクダサイ その絆、本物ですか?』 読者レビュー

2025年6月28日発売

☆本性が暴かれる究極のデスゲーム


『センタクシテクダサイ その絆、本物ですか?』

菜島千里 /著

イラストレーター:fjsmu

――誰かを選んで蹴落とそうとするから恨みが生まれるの。人に順位をつけようとするから絶望が生まれるの。


自分が生き残るには、誰かを殺す"センタク"をしないといけない。その相手が、クラスメイトであろうと、親友であろうと、恋人であろうと、必ず選ばないといけない。そんな絶望的なシステムが稼働されたとあるクラスでの出来事は、ページを捲る手が止まらないほど臨場感がありました。本当の友情、本当の愛情とは何なのか。

誰にも言えなかったであろう憎悪の感情がとても多く、どんでん返しの末に読み終わった後、他人事ではいられなくなる苦しさがあります。特にいま中高生の方におすすめする一冊ですが、幾つになっても考えさせられる物語だと思います。冒頭で引用した文章は、とある登場人物の言葉です。自分にとっての大切なポリシーを曲げない強さに心救われるのは私だけではないと思います。

私は7年ほど前に初めてこのお話を読んだのですが、長い時を経ても、この"センタクシテクダサイ"には大切な何か(読後にきっとわかります)に気付かされました。大好きな小説です。ぜひ読んでみてください...!


(三好朱珠 さん)

命がかかった極限の状態で迫られる"選択"が残酷で、予想だにしない選択をしていく彼らに目が離せませんでした。仲が良かった友達でも次の瞬間には恨み怒りの対象へ。各々の登場人物の冒頭で語られている人物像とその後に起きる展開のギャップが大きくて本当に予想がつかなかったです。(個人的に桃ちゃんが1番怖かった)

非現実的だけど、ひとつの選択が一瞬で未来を変える事怖いなと思うと同時に、後悔のないように自分にとっての正しさを"選択"して生きていきたいと思いました。


(さく さん)

怖いと思った描写もあったが、展開がはやくてページをめくる手が止まらなかった。本当の友だちや愛ってなんなんだろう。教室の中で積み上げてきた関係はこんなにも脆く、簡単に崩れてしまうものなんだと知る。それはうわべだけの関係で、実際は嫉妬や憎悪など様々な感情を隠しもっている。窮地に追い込まれた時にこそ現れる人間性は恐ろしいけれど、自分を第一に考えてしまうところに共感した。きっとだれもがそう考えてしまうと思う。

間違ってることは間違ってると自分の考えを最後まで曲げなかった生き方にすごく憧れた。わたしたちは生きていく中で、様々な選択をする。何かを選ぶということはなにかを捨てるということ。選択することに意味があるんだと感じた。どっちにしても後悔はするかもしれない。けれど、後悔を糧にどうやって生きていくのか。これからの生き方を考えさせられた。綺麗事だけじゃ生きていけない世の中だからこそ共感できる人は多いと思う。


(天野心月 さん)

【選択者】に指名された人は、誰かをセンタクしなければならない。次々に尊いはずの命が散り絶望で満たされていく中で、特に【彼女】の過去と最期に見た光景がとにかく刺さった。物語の最後に待ち受ける景色には、あなたも驚くはず。


――あなたはセンタクできますか?


(二位関りをん さん)

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