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冒頭書き出しの掴みが素晴らしいと思いました。
一文、といいますか一撃の破壊力が。
物語を通して描かれるのは「離れられるわけないふたり」の姿でした。
愛しているというより呪っているように執着し合い、強烈に互いを意識しながらも、肉体的にも心理的にも触れ合えない。
ようやく、タツキがアイトへの想いを自覚したかと思えば、その感情は17歳で途切れてしまうと告げられる…。タツキにとってはそれは、10代にありがちなセクシュアリティの揺らぎで済ませられる。でも同性愛者のアイトはそうじゃない。
なかなかに残酷なクライマックスだったと思います。インクリボンというギミックはこのためにあったのかと(性格悪いなと思いました)
それでもふたりの選んだ正解を応援したい。
ただ…心中や死を連想させるようなアイテムが多いのが不穏で心がざわつきます…十色の名称、蚕と繭、水底の古墳、エピローグでの喪服?の耽二郎など…
雨の日にだけ、傘に書いた贈答歌が飛び交うというファンタジックな世界観。その中で描かれるのは等身大な少年少女たちの物語でした。
感情が抑えられず暴走してしまったり、自信の無さから好意に目を背けてしまったり……甘いだけじゃない。10代中頃の不安定であるがゆえに瑞々しい人間模様。眩しくもあり、また痛くもある。そんな青春時代の揺らぎがファンタジックな世界観で水風船のように包み込まれています。
個人的には、終盤におけるマドカとレンジの関係が尊かったです。隣にいながらも、あえて和歌で思いを伝え合う二人の姿がエモかった……!
そしてメインのふたり。幾重にもすれ違う様子に焦ったい感情を抑えられませんでしたが、県大会のカタルシスで全て持っていかれました。
余韻を含ませるラストも好印象。
⭐︎−0.5としては、劇中の和歌が少し古風かなと。そしてもっと頻繁にやりとりが描かれてもよかったかも。
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