遠藤良二さんの作品一覧

【短編小説】子ども達のため

総文字数/8,147

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 こんなにも人の不幸が面白いとは思わなかった。人の死、いじめられている様子、失敗などなどいろいろある。こんな私はおかしいですか。いやいや、そんなことはないだろう。誰だって人の不幸に興味はあるはず。  でも、あまりにも酷い不幸だと逆に可哀想に思えるかもしれない。  大嫌いなやつの失恋したときのあの顔、ウケるんですけど。でも、私の大好きな夫が亡くなった時はきっと、誰かが私のことを笑っていただろう。ツケが回ってきたというか。そのとき、私は号泣した。あまりにも悲しくて、夜も眠れなかった。彼の死因は病気。肺がん。  私はいままで旦那に養ってもらってきた。でも、これからは自分の力で働いて生活していかなければならない。子どもは二人いる。その子たちのためにも働く。一姫二太郎と言うくらいのことがあって、上の子が女の子で、|弘子《ひろこ》といい、十一歳の小学五年生。下の子は男の子で、|幸助《こうすけ》といい、九歳の小学三年生。彼女たちのためにがんばらなければ。  でも、私に何ができるだろう。私の氏名は、|高井《たかい》こずえといい、三十八歳。葬儀はすでに終了していて、少しだけ落ち着きを取り戻してきている。でも、私はいまだに位牌をみると泣いてしまう。娘の弘子や、息子の幸助もたまに思い出すのか、グスングスンと鼻をならしながら泣いている。
【短編小説】新しい出逢いに感謝

総文字数/10,724

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 今日僕は下校してから自宅の自室で号泣した。なぜかと言うと大好きな彼女にフラれたから。交際して半年くらい経過してからの話し。僕は何でフラれたんだろう。心当たりがない。もしかして、僕以外にも好きな男ができたのかな。原因は怖くて訊けない。もし、僕の予想が当たっていたらいったい誰だろう。校内の男子だろうか。気になる。まあ、予想があっていたらのはなしだけれど。
【短編小説】家族の事情

総文字数/7,092

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 僕の家族は6人。両親、祖父母、妹、僕。端から見ると幸せな家族に見えるらしい。でも、実際はそうでもないのだ。父は心臓の病気を抱えている。心房細動という病名らしい。2ヶ月に1回、受診している。母は副鼻腔炎といういわゆる蓄膿症という鼻の病気。祖父は肺炎でこの前まで入院していた。祖母は糖尿病でインスリン注射をしている。僕は心の病を患っている。妹は乳がんで手術する予定だ。なので、それぞれ病気を抱えている。幸せなんかじゃない。それでも治療をして何とか生活している。
【短編小説】親友と紹介された女の子

総文字数/9,476

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 今日は一年の始まりの元旦。友人と二人で初詣に行った。俺はくじを引いたら大吉だった。 「やったー!」  と喜んだ。嬉しい。  俺の名前は大坂順二という。年齢は二十歳で短期大学を卒業したばかり。今は四月で仕事はコンクリートを製造する工場で働いている。仕事はきついけれど、人間関係が楽しい。気の合うやつらばかりで。肉体労働なので細マッチョ。もう一人の友人は会社の同僚でそいつも大吉だった。
【短編小説】親友と紹介された女の子

総文字数/9,501

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 今日は一年の始まりの元旦。友人と二人で初詣に行った。俺はくじを引いたら大吉だった。「やったー!」 と喜んだ。嬉しい。 俺の名前は|大坂順二《おおさかじゅんじ》という。年齢は二十歳で短期大学を卒業したばかり。今は四月で仕事はコンクリートを製造する工場で働いている。仕事はきついけれど、人間関係が楽しい。気の合うやつらばかりで。肉体労働なので細マッチョ。もう一人の友人は会社の同僚でそいつも大吉だった。  一月四日、仕事が終わって俺は寮の玄関で煙草を吸っていた。そこに会社の同僚の|渡辺和《わたなべかず》、年は19歳。こいつは高校を卒業してから、この会社に就職したらしい。俺はかず、と呼んでいる。かずは俺のことを大坂さんと呼んでいる。
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