小鳥遊 雛人さんの作品一覧

眠れない夜は、林檎菓子と御伽噺を。

総文字数/47,852

現代ファンタジー6ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
 僕にはもう、何も残っていない。母が最期に何を言おうとしたのか。こんなことになるのなら…無理言って都会の大学になんて出るんじゃなかった。  この世に独りぼっちの僕が、夜に一人ぼっちで行くあてもなく彷徨う。眠ることすら出来ないから、ずっとずっと亡くなった家族が頭から消えてくれない。  もう…どうにでもなればいい…。 「君、大丈夫?」  暗夜のような真っ暗な思考の中、ふわりと香った甘い匂い。白雪のような真っ白な肌の女性が、僕に暖かさをくれた。  もう一度、彼女に会えたのなら…。
pagetop