花岡 華恋さんの作品一覧

犬系男子は猫系男子に恋をする

総文字数/51,139

BL29ページ

第3回青春BL小説コンテストエントリー中
表紙を見る 表紙を閉じる
放課後の教室、少し近すぎる距離。 名前を呼ぶだけで、胸がうるさくなる。 明るくて人懐っこい犬系男子・春日陽向と、 無口でクールな猫系男子・三条怜。 正反対の二人は、席替えをきっかけに、少しずつ同じ時間を過ごすようになる。 文化祭の準備、放課後の帰り道、何気ない会話。 その一つひとつが、気づけば「特別」になっていく。 恋だと気づくのは、いつも遅くて、でも確かだった。 文化祭では、王子様と執事のコスプレカフェ、 そして午後にはロミオとジュリエットの舞台。 役を借りて交わされる言葉は、演技なのか本音なのか。 視線が重なるたび、心は静かに揺れていく。 「さぁて、お嬢様はどちらがお好みでしょうか」 そんな台詞の裏に隠された、言えない想いと、抑えきれない独占欲。 犬みたいにまっすぐな恋と、 猫みたいに不器用な恋。 触れそうで触れない距離の中で、二人は少しずつ前へ進んでいく。 これは、 誰かを好きになる瞬間と、 その気持ちを大切に抱きしめるまでの物語。 やさしくて、甘くて、 ずっと見守っていたくなる青春恋愛BL。
湯気の向こうで、祖母は今日も手を動かす

総文字数/5,663

ヒューマンドラマ4ページ

スタ文創刊10周年企画「読むだけじゃない読書体験」小説コンテストエントリー中
表紙を見る 表紙を閉じる
この物語には、派手な事件も、大きな奇跡もありません。 あるのは、毎日の台所と、名もなきおばあちゃんの手つきだけです。 煮る。炒める。炊く。蒸す。 おばあちゃんは今日も、特別なことはせず、ただ料理を作ります。 分量は目分量。時間は時計を見ない。 火加減は、鍋の音と湯気の匂いで決める。 「急がせない」「触りすぎない」「待つときは待つ」 その一つ一つの工夫は、料理のためであり、 同時に、人生をうまく生きるための知恵でもありました。 この連作短編は、すべて一話完結。 一つの調理法と、一つの料理、 そしてその背後にある、ささやかな物語でできています。 読者は読むだけでなく、 包丁の音を想像し、湯気を思い浮かべ、 ときには実際に台所に立ちたくなるかもしれません。 それは、この物語が「感情」を説明する代わりに、 「行動」と「体験」で語るからです。 おばあちゃんの料理は、豪華ではありません。 けれど、不思議と心に残ります。 それは、味の奥に、 時間と記憶と、誰かを思う気持ちが 静かに染み込んでいるから。 火を弱め、ふたを少しずらし、 今日も台所に立つその背中から、 私たちはきっと、生き方を教わっています。 湯気の向こうで、 祖母は今日も、何も語らず、手を動かしているのです。
オールの先に、水平線

総文字数/2,326

青春・恋愛1ページ

第63回キャラクター短編小説コンテスト「青春ボーイズライフ」エントリー中
表紙を見る 表紙を閉じる
退屈で、何も変わらないと思っていた毎日。 水瀬理人にとって、世界はいつも同じ色をしていた。 魚が好きだった。 水族館で、静かに泳ぐ魚たちを眺めている時間だけは、 この世界が少しだけ、きらめいて見えた。 いつかあの場所で、魚たちのことを 誰かに伝える仕事ができたら―― それが、理人の小さな夢だった。 正反対の転校生・朝霧颯真は、 海が好きで、空が好きで、 いつか海上自衛隊になることを真っ直ぐに語る少年だった。 同じ“海”を見ているのに、 向いている方向はまるで違う。 二人が出会ったのは、カッター部という小さな舟の上。 一人では進めず、 誰かを信じなければ前に出られない世界。 笑い合い、ぶつかり合い、 同じリズムでオールを揃える日々。 だが颯真は、過去の事故という“非日常”を抱え、 海に向かうことそのものを、どこかで恐れていた。 逃げたい過去と、踏み出したい未来。 恋ではない。 それでも確かに結ばれていく、相棒としての絆。 荒れる海の上、限界の先で、 彼らはそれぞれの夢を胸に、オールを握る。 魚たちの世界を伝えたい少年と、 海を守る道を選ぼうとする少年。 これは、同じ舟に乗った時間が、 二人の未来をそっと後押しする物語。 爽快で、少し切なく、 読み終えたあと、胸の奥に静かな光が残る 青春ボーイズライフ。
pagetop