「―――ええぇ!! ま、ま、魔王ですってぇええええ!!」
リズがパニック寸前の声をあげる。
まあ映像とはいえ、いきなり魔王が出た来たらビックリするか。
「そうだリズ。あの人が魔王だ」
「ば、ば、バートスは魔王と知り合いなのですか!?」
「ああ、親父が生きていた頃はちょくちょく家に来たりしてたからな」
「ええぇ……なんですかその庶民的な感じ……」
まあ、良くも悪くもあまり威厳とか気にしない人だからな。
あ、人じゃないや、魔王だった。
周りを見ると、ほぼ全員が固まっている。
国王も、ファレーヌも兵士たちも。
「ごくり……あ、あれが魔王……まだ幼いのですね……」
『リズの言う通りじゃ。なんか子供みたいなのじゃ』
あ、マズイ……
それ言っちゃダメ。
「な、魔王が王城に!?」
「っていうかあれが魔王?」
「あのちびっこい幼女が?」
「ロリっこ魔王だ!」
うわぁ、兵士たちも好き勝手に言い出した。
だからそのワードはマズいんだよ。
が、俺が止めらるわけもなく……
〈―――うらぁあああ! だれがチビロリ魔王じゃぁあ!!
わらわは大人じゃ! ―――その証拠をみるがいい!〉
やっぱりキレちゃった。
っていうかなんか胸部をめっちゃ前にだした。
「ええ? なにを見るんだ?」
「なにもないぞ?」
「平地だ……ぺったんこだ」
「ちょっとみんなひどいよ~~もっとよく見てあげてよ~ちょっとだけ出てるでしょ!」
ムチムチ魔族がドデカイ2つをブルンと震わせて言う。
カルラ、おまえが言ったら逆効果だ……
〈ぬぅうう! こやつらふざけよって……いっぺんしばきまわすぞ!!〉
「ぐっ……魔王め、やはり攻めて来たのだな」
「こうなったら我ら王国騎士の意地をみせてくれる!」
魔王さまが映し出されている黒い壁を攻撃し始める兵士たち。
〈あ、こら! ガンガンすな! やめれ~~それ高かったんじゃぞ!〉
いかん、滅茶苦茶になってきた。
しょうがない―――
「―――【焼却】」
――――――ボウっ!
俺は空に向かって軽く【焼却】を発動した。
室外から聞こえた炎の音に驚いた兵士たちが、俺に注目する。
「よし、いったん落ち着いてくれ。魔王さまは君たちの国を攻めに来たんじゃない」
俺の言葉を聞いた兵士たちは、一斉に国王へ顔を向ける。
「うむ、我が騎士たちよ。バートスの言う通り、いったん矛をおさめよ。
して魔王殿、わしになにか話が合ってのことであろう?」
〈ふぅ……あやうく壊れるとこじゃった。うむ、わらわは魔王ヒルデアじゃ〉
「ラスガルト王国、国王のガイデル・ロイ・ラスガルトである」
〈ガイデル国王よ、いきなり邪魔したことは詫びるのじゃ、すまんかった〉
「かまわぬ。バートスとは知り合いのようじゃが?」
魔王さまは俺の生い立ちについて国王に軽く説明した。
「バートス……お主……」
「いや、国王陛下。黙っていてすまなかった」
魔界から来たとか言っても混乱するだけだろうし。
信じてもらえるとは思えんからな。
「ふむ、どこで育とうがバートスは聖女リズロッテの従者にて王国の大事な民じゃ」
そう答えた国王は再び魔王さまに視線を移し、会話の続きを促した。
〈ガイデル国王よ。―――カイザーヒドラが地上に放たれた〉
「カイザーヒドラ?」
〈魔界のヒドラを束ねていた親玉じゃ〉
「魔王さま、そいつは10本のことだな」
俺は会話に割って入る。
〈そうじゃバートス。わらわが討伐して清掃局におくった10本じゃ〉
「しかしなぜ10本が動けるんだ? 魔王さまにこっぴどくやられて回復してないはずだぞ。まさかゲナン副局長が……」
〈あのアホ(ゲナン)はお主を追放した挙句に、なんの対処もしとらんかった〉
うわぁ~~副局長なにやってんだ……
あれだけ言って引継ぎ書も渡したというのに。
「ってことは、北の砦で暴れている魔物って」
〈そうじゃ、10本じゃ〉
マジかよ……これはヤバいぞ。10本は普通の魔物とは違う。
〈本来ならばわらわが地上へ出張る案件じゃが、それは出来ん〉
魔王さまの説明によると転移ゲートが破損してしまったらしい。
10本が動力源の魔力タンクを吸収してしまい、さらに無理やりゲートを使用したようだ。
現状、転移ゲートの使用は制限がかかっており、魔王さまのような強力な魔力を持つ者は通れない。
そもそも天界との地上不可侵の約定がある為、魔王さま自身はすぐには動けないしな。
〈そこでじゃ……アホ(ゲナン副局長)がお主を地上に追放した話を思い出してのう〉
あ、なんか嫌な予感する。
〈―――バートス! お主に10本討伐を任せるのじゃ〉
やっぱり……
まあどのみち救援に駆けつける予定ではあったけど。
「バートス」
リズが俺の両手をそっと取る。
「そこまで危険な魔物であれば、すぐにでも駆けつけないと」
そうだよな。俺は聖女リズロッテの従者。
「ああ、わかってるよリズ。
―――ってことで魔王さま。やれるだけの事はしてくるぞ」
魔王さまは静かに頷く。
そして話を聞いていた国王が口を開いた。
「うむ、だいたいの事情はわかった。王国の危機である。急ぎ王国軍を招集する。悪いが聖女殿一行は先行して北の砦に向かってくれ」
〈すまぬのガイデル国王。今のゲートでは魔王軍の本隊も送ることができん。じゃが数名なら地上に送れるので、魔王軍の幹部数名を加勢させるでな〉
「相分かった。よもや魔王とこのような話をするとは思ってなかったぞ」
国王も動き出す。
「魔王さま」
〈なんじゃバートス?〉
俺はひとつだけ我儘を聞いてもらうことにした。
「転移ゲートは数名なら使えるんだな?」
〈そうじゃ、現状招集できている魔王軍幹部数名を……〉
「いや、幹部はいらない」
〈うむ? では誰を送るんじゃ?〉
「―――俺の元職場の仲間を送ってくれ」
〈そうか、そうじゃったな……わかった出来るだけ早く手配しよう〉
魔王軍幹部とやらは俺も良く分からん。
一緒に仕事をするなら―――知っている奴らがいい。
つまり―――
清掃局の仲間以上のやつらはいないってことだ。
リズがパニック寸前の声をあげる。
まあ映像とはいえ、いきなり魔王が出た来たらビックリするか。
「そうだリズ。あの人が魔王だ」
「ば、ば、バートスは魔王と知り合いなのですか!?」
「ああ、親父が生きていた頃はちょくちょく家に来たりしてたからな」
「ええぇ……なんですかその庶民的な感じ……」
まあ、良くも悪くもあまり威厳とか気にしない人だからな。
あ、人じゃないや、魔王だった。
周りを見ると、ほぼ全員が固まっている。
国王も、ファレーヌも兵士たちも。
「ごくり……あ、あれが魔王……まだ幼いのですね……」
『リズの言う通りじゃ。なんか子供みたいなのじゃ』
あ、マズイ……
それ言っちゃダメ。
「な、魔王が王城に!?」
「っていうかあれが魔王?」
「あのちびっこい幼女が?」
「ロリっこ魔王だ!」
うわぁ、兵士たちも好き勝手に言い出した。
だからそのワードはマズいんだよ。
が、俺が止めらるわけもなく……
〈―――うらぁあああ! だれがチビロリ魔王じゃぁあ!!
わらわは大人じゃ! ―――その証拠をみるがいい!〉
やっぱりキレちゃった。
っていうかなんか胸部をめっちゃ前にだした。
「ええ? なにを見るんだ?」
「なにもないぞ?」
「平地だ……ぺったんこだ」
「ちょっとみんなひどいよ~~もっとよく見てあげてよ~ちょっとだけ出てるでしょ!」
ムチムチ魔族がドデカイ2つをブルンと震わせて言う。
カルラ、おまえが言ったら逆効果だ……
〈ぬぅうう! こやつらふざけよって……いっぺんしばきまわすぞ!!〉
「ぐっ……魔王め、やはり攻めて来たのだな」
「こうなったら我ら王国騎士の意地をみせてくれる!」
魔王さまが映し出されている黒い壁を攻撃し始める兵士たち。
〈あ、こら! ガンガンすな! やめれ~~それ高かったんじゃぞ!〉
いかん、滅茶苦茶になってきた。
しょうがない―――
「―――【焼却】」
――――――ボウっ!
俺は空に向かって軽く【焼却】を発動した。
室外から聞こえた炎の音に驚いた兵士たちが、俺に注目する。
「よし、いったん落ち着いてくれ。魔王さまは君たちの国を攻めに来たんじゃない」
俺の言葉を聞いた兵士たちは、一斉に国王へ顔を向ける。
「うむ、我が騎士たちよ。バートスの言う通り、いったん矛をおさめよ。
して魔王殿、わしになにか話が合ってのことであろう?」
〈ふぅ……あやうく壊れるとこじゃった。うむ、わらわは魔王ヒルデアじゃ〉
「ラスガルト王国、国王のガイデル・ロイ・ラスガルトである」
〈ガイデル国王よ、いきなり邪魔したことは詫びるのじゃ、すまんかった〉
「かまわぬ。バートスとは知り合いのようじゃが?」
魔王さまは俺の生い立ちについて国王に軽く説明した。
「バートス……お主……」
「いや、国王陛下。黙っていてすまなかった」
魔界から来たとか言っても混乱するだけだろうし。
信じてもらえるとは思えんからな。
「ふむ、どこで育とうがバートスは聖女リズロッテの従者にて王国の大事な民じゃ」
そう答えた国王は再び魔王さまに視線を移し、会話の続きを促した。
〈ガイデル国王よ。―――カイザーヒドラが地上に放たれた〉
「カイザーヒドラ?」
〈魔界のヒドラを束ねていた親玉じゃ〉
「魔王さま、そいつは10本のことだな」
俺は会話に割って入る。
〈そうじゃバートス。わらわが討伐して清掃局におくった10本じゃ〉
「しかしなぜ10本が動けるんだ? 魔王さまにこっぴどくやられて回復してないはずだぞ。まさかゲナン副局長が……」
〈あのアホ(ゲナン)はお主を追放した挙句に、なんの対処もしとらんかった〉
うわぁ~~副局長なにやってんだ……
あれだけ言って引継ぎ書も渡したというのに。
「ってことは、北の砦で暴れている魔物って」
〈そうじゃ、10本じゃ〉
マジかよ……これはヤバいぞ。10本は普通の魔物とは違う。
〈本来ならばわらわが地上へ出張る案件じゃが、それは出来ん〉
魔王さまの説明によると転移ゲートが破損してしまったらしい。
10本が動力源の魔力タンクを吸収してしまい、さらに無理やりゲートを使用したようだ。
現状、転移ゲートの使用は制限がかかっており、魔王さまのような強力な魔力を持つ者は通れない。
そもそも天界との地上不可侵の約定がある為、魔王さま自身はすぐには動けないしな。
〈そこでじゃ……アホ(ゲナン副局長)がお主を地上に追放した話を思い出してのう〉
あ、なんか嫌な予感する。
〈―――バートス! お主に10本討伐を任せるのじゃ〉
やっぱり……
まあどのみち救援に駆けつける予定ではあったけど。
「バートス」
リズが俺の両手をそっと取る。
「そこまで危険な魔物であれば、すぐにでも駆けつけないと」
そうだよな。俺は聖女リズロッテの従者。
「ああ、わかってるよリズ。
―――ってことで魔王さま。やれるだけの事はしてくるぞ」
魔王さまは静かに頷く。
そして話を聞いていた国王が口を開いた。
「うむ、だいたいの事情はわかった。王国の危機である。急ぎ王国軍を招集する。悪いが聖女殿一行は先行して北の砦に向かってくれ」
〈すまぬのガイデル国王。今のゲートでは魔王軍の本隊も送ることができん。じゃが数名なら地上に送れるので、魔王軍の幹部数名を加勢させるでな〉
「相分かった。よもや魔王とこのような話をするとは思ってなかったぞ」
国王も動き出す。
「魔王さま」
〈なんじゃバートス?〉
俺はひとつだけ我儘を聞いてもらうことにした。
「転移ゲートは数名なら使えるんだな?」
〈そうじゃ、現状招集できている魔王軍幹部数名を……〉
「いや、幹部はいらない」
〈うむ? では誰を送るんじゃ?〉
「―――俺の元職場の仲間を送ってくれ」
〈そうか、そうじゃったな……わかった出来るだけ早く手配しよう〉
魔王軍幹部とやらは俺も良く分からん。
一緒に仕事をするなら―――知っている奴らがいい。
つまり―――
清掃局の仲間以上のやつらはいないってことだ。

