粉々になって砕け散る扉から覗いた鮮烈な赤毛に、私の心臓が高鳴る。
そこには、20年の時が経過したとは思えない、若々しく逞しい姿の紅龍様が立っていた。
(目元に小さなシワがあるくらいで、30代くらいに見える)
そんな紅龍様の姿にガルーとサングレが呻き声を上げた。
「……地獄耳かよ、バケモンが」
「……もはや妖怪ですよね」
あっ、止めっ……と止める間もなく、二人が紅龍様の掌底を顎に受けて吹っ飛ぶ。
あぁああああああああああああ! 見覚えのある懐かしい光景!!
ドシャッと倒れる二人だったけど、アリアだけは紅龍様と上手くやれているのか、両手を合わせて挨拶していた。
「師父、シスター・ディディが目を覚ましました」
「ああ」
紅龍様が素っ気なく返事したように見えて、胸がズキッとした。
いや『ディディ! よく目覚めたヨ~! 愛してるヨ~! 今日はパーリィーだヨー! chu♥』とか言うわけないとは思ってますけどね!!
とかなんとか思っていたら、紅龍様がアリアの顔面を掴んで締め上げだした。な、何故!?
そして紅龍様は怒りを滲ませながら、語りだす。
「……おい、もしもワタシが不在の時にディディが目を覚ましたら、真っ先にワタシに連絡しろと言ったよナー? なんでオマエらの方が先にキャッキャウフフしとんねん! そんで何で全員半裸やねん! この盛りのついたド畜生どもがァー!」
紅龍様がアリアの顔面を床に叩きつけ……や、八つ当たりだぁーっ!!
しかしアリアはムクリと起き上がると無表情のまま「……申し訳ありません。師父のこと、地味に忘れていました」と、ナチュラルにケンカを売っている!
当然のように殴られていたけど、そこで紅龍様が私に駆け寄ってきた。
「ディディ!」
そして伸びた両手(元ちびっこ達の返り血に染まってる)で抱きしめられ……Fooooo!?!?
思わず外国人みたいなリアクションしちゃったけど、推しが! 推しの胸が! 推しの良い香りが! 鼻血が出そうになってしまう! ありがとうございます! ありがとうございます! 今日も地球が美しいです! 全世界の命、ありがとうございます!!
と、突如芽生える博愛の精神とトキメキでクラクラしつつも、強く強く抱きしめられて、想定通り鼻血を噴く私。ブハッ!
でも紅龍様が優しく笑いながらハンカチで拭ってくれた。トゥンク……。
「フッ、お前は本当に変わらないな……」
「そ、そんな……恥ずかしいですぅ~(裏声)」
鼻にティッシュで栓をしながら照れる私に紅龍様が、かつてない程に優しい。
それに、ハグだけでなく、頭ナデナデまでされちゃった!(鼻血)
そして紅龍様と見つめ合い、そのアップで見ても圧倒的イケメン度に驚いている一方、紅龍様の後方では、元チビーズがギリギリと歯噛みしていたっていうか……。
ガルーはパイロキネシスを発動させかけているし、サングレは手から刃物を出しているし、アリアは長銃を手にしている!
明らかにアカンやつや!!
紅龍様、この子達に命、狙われてません??
私が問いかけると紅龍様は余裕の笑みを浮かべていた。
「ワタシ、アラフィフになったけど、こんなケツが青いガキどもに寝首かかれるほど、老いてないヨー。それに……」
紅龍様が指を鳴らすと、教会の扉の影から小さな人影が見えた。
だ、誰……?
そこには、20年の時が経過したとは思えない、若々しく逞しい姿の紅龍様が立っていた。
(目元に小さなシワがあるくらいで、30代くらいに見える)
そんな紅龍様の姿にガルーとサングレが呻き声を上げた。
「……地獄耳かよ、バケモンが」
「……もはや妖怪ですよね」
あっ、止めっ……と止める間もなく、二人が紅龍様の掌底を顎に受けて吹っ飛ぶ。
あぁああああああああああああ! 見覚えのある懐かしい光景!!
ドシャッと倒れる二人だったけど、アリアだけは紅龍様と上手くやれているのか、両手を合わせて挨拶していた。
「師父、シスター・ディディが目を覚ましました」
「ああ」
紅龍様が素っ気なく返事したように見えて、胸がズキッとした。
いや『ディディ! よく目覚めたヨ~! 愛してるヨ~! 今日はパーリィーだヨー! chu♥』とか言うわけないとは思ってますけどね!!
とかなんとか思っていたら、紅龍様がアリアの顔面を掴んで締め上げだした。な、何故!?
そして紅龍様は怒りを滲ませながら、語りだす。
「……おい、もしもワタシが不在の時にディディが目を覚ましたら、真っ先にワタシに連絡しろと言ったよナー? なんでオマエらの方が先にキャッキャウフフしとんねん! そんで何で全員半裸やねん! この盛りのついたド畜生どもがァー!」
紅龍様がアリアの顔面を床に叩きつけ……や、八つ当たりだぁーっ!!
しかしアリアはムクリと起き上がると無表情のまま「……申し訳ありません。師父のこと、地味に忘れていました」と、ナチュラルにケンカを売っている!
当然のように殴られていたけど、そこで紅龍様が私に駆け寄ってきた。
「ディディ!」
そして伸びた両手(元ちびっこ達の返り血に染まってる)で抱きしめられ……Fooooo!?!?
思わず外国人みたいなリアクションしちゃったけど、推しが! 推しの胸が! 推しの良い香りが! 鼻血が出そうになってしまう! ありがとうございます! ありがとうございます! 今日も地球が美しいです! 全世界の命、ありがとうございます!!
と、突如芽生える博愛の精神とトキメキでクラクラしつつも、強く強く抱きしめられて、想定通り鼻血を噴く私。ブハッ!
でも紅龍様が優しく笑いながらハンカチで拭ってくれた。トゥンク……。
「フッ、お前は本当に変わらないな……」
「そ、そんな……恥ずかしいですぅ~(裏声)」
鼻にティッシュで栓をしながら照れる私に紅龍様が、かつてない程に優しい。
それに、ハグだけでなく、頭ナデナデまでされちゃった!(鼻血)
そして紅龍様と見つめ合い、そのアップで見ても圧倒的イケメン度に驚いている一方、紅龍様の後方では、元チビーズがギリギリと歯噛みしていたっていうか……。
ガルーはパイロキネシスを発動させかけているし、サングレは手から刃物を出しているし、アリアは長銃を手にしている!
明らかにアカンやつや!!
紅龍様、この子達に命、狙われてません??
私が問いかけると紅龍様は余裕の笑みを浮かべていた。
「ワタシ、アラフィフになったけど、こんなケツが青いガキどもに寝首かかれるほど、老いてないヨー。それに……」
紅龍様が指を鳴らすと、教会の扉の影から小さな人影が見えた。
だ、誰……?



