「ゼンくん、入籍と結婚式のご予定は?」


「入籍は今月末か来月頭に、日取りを見てと思ってます。式は子どもが産まれるまでには」


一色部長は律儀に答える。
部長の役職にはあるけど、社内では若手から中堅の年齢だ。
年上の同僚部下を無碍に扱う人じゃないけど……。


「そうなんだ~。梅原ちゃん、ベビーは男の子?女の子?いつ産まれるの?」


「あ……性別はまだわかんなくて、予定は7月中頃です」


「楽しみだねぇ!さて、梅原ちゃんはゼンくんのどこに惚れたの~!」


まだ、惚れてません。

とは言えない。
っていうか、森部長!
そういう話は飲み会でやってくれ!

……とも言えないよね。


「厳しいけど……頼りになるところです……」


私は声を振り絞って言った。
本音、これは本音。


「なるほどね!じゃあゼンくんは?梅原ちゃんのどこが好き?」