びっくりして言葉が出ない。

でも、私の表情でバレてしまったようだ。
和泉さんは42歳、来年中学生になる男の子のママでもある。


「やっぱりね」


「……すみません」


「謝んないの。彼氏は何て言ってるの?」


まさか、その彼氏が彼女の年下上司だとは思わないだろう。
私だってまだ言えない。


「あの……年明けに入籍しようって話になってます……」


「やだ!そうなんだ!おめでとう!……今つわりなんでしょ?何週目?」


「今日から9週目です。こんなにくるしいと思わなくて……」


私は弱々しく笑った。
こんなにヨレヨレで、
仕事も満足にこなせなくて、
隠してるつもりが周りにはバレて。

情けないよぅ……。


「思い出すなぁ。私はつわりが無いタイプだったから、ウメちゃんの苦しみはわかって、あげらんないけど、妊娠出産の大変さはちょっとわかるつもり」


和泉さんが優しく肩に手を置いてくれる。
しかし、和泉さんのセカイにあったんですね。
つわりの無い魔法。