「ところで、梅原、その……腹の子の写真はあるか?」


「写真?あー、エコー!ありますよ」


私はバッグをがさがさと探る。
手帳に挟んだエコー写真を出して、一色部長に手渡した。


部長はしばし、無表情でそれを睨み、

「よくわかんないな」

と、呟いた。



「えっと、これが赤ちゃんの入った袋です。あと、この白い点が赤ちゃんの心臓です」


「なんだ?まだ心臓しかないのか!?」


「小さすぎて、よく映ってないんですよ。動画の状態では心臓が点滅してました」


「おお」


一色部長はまたしても無言で写真を眺める。

それから、ばっと顔を上げた。


「梅原、俺の覚悟を見せてやろう」


言うなり携帯を取り出す。
そして、電話。


「あ、もしもし?一色です。今飲み会に参加してるんでしょ?じゃ、外、出て。いーから!」


「あの……誰に電話してるんですか?」