「でね、聞きたいんだけど」


私は目下一番知りたいことを口にする。


「やっぱ、陣痛は痛かった?」


美保子さんはうふふと笑ったけれど、それは普段のほんわかした微笑みではなく、意味ありげな笑いだった。


「佐波さんとご主人に送ってもらって病院に入ったでしょう?」


「うん」


あの時も結構痛そうだったけど。


「産む時の痛みは、あの時点の500倍くらい」


なにィッ!?
500倍とな!!


「あまり脅かしたくはないんだけどね」


ビビる私に前置きして、美保子さんは出産の経過を教えてくれた。


「破水してから陣痛もぐっと強くなって、間隔も5分感覚くらいになったんだけど、それが3時間くらい続いたの。間隔が2分おきくらいの頃から、どうしようもなくいきみたくてつらかったわ」