「はぁ、あの？」


それってポンちゃんができた夜だよね。
私が間抜けに聞き返すほど、部長は目をそらしていく。


「おまえの抱き心地が良かったのだって覚えてるんだよ！
色々女と寝てきたけど、よりにもよって一番相性がよかったのが部下かと愕然としたよ！」


部長の言葉に、見る間に私の顔も赤くなる。


「てっきり、私、女としてナシかと思ってました……」


「おまえから誘われて嬉しくないわけないだろうが！嫌いで『しない』って言ったんじゃない。
……ただ、ビビッてんだよ、俺も。
ポンに影響ないって頭でわかってる。でも、俺の欲望に委せて、もしポンに何かあったらと思うと、そういう気分になれない。
それは今もだ」


だから、ハグなのか。
それで我慢ってことか。
私も彼も。

なんだ、この人やっぱり優しい。
ポンちゃんにも、私にも。


「誓って言う。おまえとのことがあって以来、浮気に当たることは一切ない。それは、信じてほしい」