そしてすべて食べ終わった頃、ようやく注文したたこ焼きが焼き上がり、わたしたちは公園に行ってそれを食べた。結果は同じだ。やはり紗弥もわたしと同意見、たこ焼きはクソまずく、どうしようもないという結論に至った。


「なんだろうね、焼きムラがあるし、たぶんそもそもの生地作りも下手なんだと思う。たこ焼き舐めてるね」

「でも、どうしよう。もっと辛くなる前に早くお店閉めろって説得するしかないかな」

「いやいや千世、それじゃ願い叶えられてないじゃん」

「じゃあどうするのさ。わたしだって、叶えてあげたいと思うけど」


結果はどうあれ、あのおじさんが必死に頑張っているのは確かだ。そしてそれを隣で優しく支えている奥さん。このままじゃダメだと思う、どうにか手伝いたいと思う。だけど、わたしに一体何ができるって言うんだ。


「……とにかく一度、作戦会議だな」


紗弥がベンチから立ち上がる。


「作戦会議?」

「うん。いろいろ案を出さないとね。楽しくなりそうだなあ」

「でも紗弥、考えがあるの?」

「あたりまえじゃん。てかこんなの楽勝でしょ。最初はどうしようかと思ったけど」

「わたし今も思ってるけど」

「なんでよ。千世も食べたじゃん」


食べたから言っているんだけど。と首を傾げていれば、紗弥はぷすっと笑ってカバンを背負い直した。


「とりあえず、明日の放課後に」