一瞬、まぶしく景色が光った。
そして閉じた目を開いたとき、淡い光が、一筋の線を描いてすうっと空へ飛んでいった。
流れ星みたいなその光は、そのうち、星に紛れて見えなくなった。
「……ユイちゃんの願い、消えちゃった」
「消えていない。あの願いは俺が確かに聞き届けた」
「ユイちゃんの願いは叶うの?」
「ああ。そしてユイが願ったあの夢は、いつまでもユイの側で、ユイを見守り続ける」
常葉が見上げている空を、わたしも同じように見上げてみた。
夜の空には少しずつ星が姿を見せて、ユイちゃんの夢とおんなじように、きらきらと優しく光っている。
「いつまでも……」
「ああ、いつまでもだ」
「でもさ……クロとずっと一緒にって言っても、いつかは別れが来ちゃうでしょ。ユイちゃんの願いは、本当に永遠に叶い続けるわけじゃないよ」
「そうだな。命ある生き物であれば、いずれは皆、別れの時が来る」
「そうしたらその夢も、やっぱり消えちゃうんじゃないの。願ったことは終わるんだから」
「消えはしない。言っただろう、いつまでも側で見守っている」
「願いは終わっちゃっても?」
「願った夢は消えないからだ」
「ふうん……よくわかんない」
イマイチ首を傾げたまま、でももう問いかけるのはやめて、夜空の光の粒だけを見ていた。
ちらちら瞬いているそれに、あの星はもしかしたらみんなの夢なのかなあ、なんて、ガラにもなくロマンチックなことを考えた。