なんだか不思議な夢を見た。


たぶんそれは夜で、でもお祭りみたいなことをやっていてあたりはとても明るくて。

子どもも大人も浴衣を着て、立ち並ぶ屋台の間を歩いていた。


常にどこからか、太鼓や笛の音が聞こえていた。そっちの方を見るとやぐらを囲んで踊っている人たちがいて、そのまわりで手を叩いている人もたくさんいた。

遠くで花火の音も聞こえる。ときどき、空に綺麗な花が咲く。


奥に行くと、大きな笹飾りを見つけた。

大勢の人がその下に集まって、何かを笹にぶら下げている。

近くで見ると、色とりどりの短冊だった。短冊には何かが書かれている。それぞれ違う、みんなの願いごと。


誰も笑顔でその場にいた。楽しそうに、空に願う夢を1枚の短冊に託していた。


そして、そのしあわせなざわめきを、誰よりもうれしそうに眺めている人がいる。

一番奥のお社で、静かに座って見守っているのは、星の色の髪をした綺麗な神様。


ああ、そっか。

この夢は、常葉の思い出なんだね。


とてもとても不思議なんだけど、なんの迷いもなく気づいたんだ。


遠いいつかの大切な思い出。


常葉の、心の中に残る記憶───