「……なに、どういうこと……」


ぐるぐる、ぐるぐる。

いろんなことが頭の中を駆けめぐってる。


真っ青だった、大和の顔。

なんだろ、どういうことだろ。昨日から変だったけど、やっぱりなんかおかしい。

でも何があった? わたしなんか変なこと言った?

……大和はウチに、何しに来たんだろ?

わたしになんか、言いたいことがあった?


「ねえ常葉、大和どうしちゃったのかな。あんたなんか変なことしてないよね」

「だから変なこととはなんだ。俺はお喋りしかしていない」

「だよね……」


常葉も別に変なこと口走ってなかったし。だったら何、急にお腹痛くなったとか? まさか、そんな感じじゃなかった。

何かあるはずなんだ。何かあるはずなんだけど、それがよくわかんない。


「……とりあえず」


よくわかんないままだから、ひとまず追いかけよう。

と思ったときにタイミング悪く。ケータイの着信音が、狭い神社に響きわたる。


「もう、誰だよこんなときにっ」


ポケットから引きずり出して画面を見れば、表示されているのは紗弥の名前。

お父さんならまだしも紗弥は無視するわけにもいかずに、通話ボタンをピコっと押した。


「もしもし」

『あ、もしもし千世? あたしだけど』

「うん、どうしたの」

『どうしたのじゃないってあんた! ねえ、千世の幼なじみのニュース、知ってるの?』

「大和の?」