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――キーンコーンカーンコーン。

関東大会から3日が過ぎて、今はやっと退屈だった4限目の授業が終わったところ。

私は大好きな唐揚げ弁当を我慢して、ブツブツと文句を言いながらある場所に向かっていた。それは……。


「はい。また社会科の先生から」

好きで隣の席になったわけじゃないのに須賀の用事を私に押し付けるのは本当にやめてほしい。


「でた、課題」

「でたじゃないよ。昼休みになったら忍者みたいに姿消すのやめてくれない?」

須賀は暑いコンクリートの上で優雅に寝そべっていた。


こんなところで昼寝ができる神経がよく分からない。須賀なら熱帯雨林に行っても生きていけそうだ。

「じゃあ」と課題を須賀に渡して素早く立ち去ろうとすると、なぜか須賀は私を呼び止めた。


「たまには付き合ってよ」

「なにが?」

「日向ぼっこ」

「………」

だから私は須賀と違って一般市民で普通の感覚だから、これを日向ぼっこと呼んじゃう感覚が理解できないんだってば。


私は炎天下は避けて日陰になっている場所で「はあ……」とため息をついた。


須賀はべつにいつもどおりの須賀だ。

朝練に参加して授業中は寝て、放課後また暗くなるまで泳いでいる。

だけどメンタルの強い須賀でも人並みに落ち込んだりするって、この3日間で気づいた。


「残念だったね」

あえて主語は使わなかった。