紗香と合流して電車で会場まで向かった。
〝関東高等学校選手権水泳競技大会〟
そう大きく書かれた案内の看板。
「おー間宮たち来たか。これで全員揃ったな。席はまとめて確保してあるから早速中に入るぞ」
どうやら私たちが最後だったらしくて、建物の前にはクラスメイトが全員揃っていた。
先生を先頭にぞろぞろと制服を着た集団がアヒルの親子みたいにみんな後をついていく。
「須賀って100メートルでしょ?予選なん組?」
「たしか2組って言ってたよ」
競技の時間が書かれたプログラムをみんな見つめながら、客席入り口のAの階段を登った。
会場ではすでに女子の200メートルの予選が行われていて、かなり盛り上がっていた。
大きなプールを囲んでスタンド席はほぼ満員。
カラフルな応援用のメガホンを持って、各学校の応援団が選手と同じくらい応援で競い合っていた。
「すごいね。なんか圧倒されちゃう」
隣で紗香がキョロキョロとしている。
屋根がない応援席は熱中症対策で簡易的なテントが張られていたけど、意味がないってぐらい暑い。
「みんなトイレ休憩や水分補給は各自ちゃんとしろよ」
先生だけ薄いTシャツ1枚でずるいって思ったのは私だけじゃないはず。