なんで、わたしはここに居るんだろう。

なんのために居るんだろう。


どこかに意味なんてあるのかな。

世界がつくった意味がどこかに。


だけどそんなのわからなかった。

知る必要すら本当はなかった。


だってわたしにとっての意味は、ちゃんといつだって側に在ったから。


いつも隣に居る人。

笑ってくれる人。

手を繋いでくれる人。

どこまでも、一緒に歩いてくれる人。


大切な人がいた。

大好きな人がいた。


家族が、いた。


それが、わたしがわたしに見つけた、たったひとつの意味だった。



「……もう……こんなところになんか」



わたしがここに居る理由。


愛してくれる人の手のひらの温度が、それの、確かな形だったのに。



「こんなところになんか、居たく、ないよ」



全部無くなって、わたしの世界は、真っ黒に汚れた。


星のひとつも見えない場所の、どこで、わたしは、立っていればいいの。



もう、わかんないんだ。