「私・・・どうしたんだろう?」

 思わずつぶやくと、
「え!?」
と声がした。

「あらあら大変」
そう言って近づいて来たのは、どう見ても看護師だった。
「目が覚めたのね。あ~、良かったわ」

「はぁ。ここは病院ですか?」

「ええ、ええ。まぁどうしましょう。とりあえず先生呼んでくるわね。あと、ご両親にも言わなくちゃ。喜ぶわよ~」

 そう言うと、大急ぎで部屋から出て行った。

 静かになった病室を見回す。

 身体を起こそうとして、掛け布団の中にある右手に何かが触れた。

 それをつかんで目の前に持ってくる。