蓮がゆっくりと身体を離す。手の甲で涙をぬぐう。

「蛍」
真っ赤な目が私の前にある。

 さっきよりもその身体からあふれ出る光が薄くなっているように感じる。

「蓮、私ね」
言わなくちゃ。今、言わなくちゃ。

 あせる気持ちからか、言葉がうまく出ない。

「蛍、君が好きです」

「え?」
 

「ずっと、好きだった」

 涙が一瞬止まる。

 いつものように『冗談』だと言って笑い出しそうな気がしてしまう。