「・・・そう」

「ようやく学校に行けたのは1学期の終業式の日。学校では内緒の関係だから、翌日会ってほしいと手紙を書いて彼の下駄箱に入れておいた。でも、彼は待ち合わせ場所に現れなかった」

「ひどいヤツ」
鼻息荒く憤慨している私を見て、恭子は少し笑った。

「電話をしても取り次いでももらえなくって・・・。どうしようもなく夏休みも練習がある彼の部活前に会おうと学校に来たの。彼はその時友達と一緒だったんだけど、私の姿を見つけると、血相を変えて走ってきた」

「それで?」

「周りにばれないように校舎の影で話をしようとしたの。でも、彼は私の顔を見るなり『もうお前とは関係ない。こういうのは迷惑だ』って、そう言ったの」