「ごめんね、蓮。私、あなたにコクらないとダメなんだって。じゃないと、蓮に迷惑がかかるんだって・・・。ごめんね」

 どちらにしても他の部員が帰らないとそばには行けない。幾分気が楽になって、私は大きく背伸びをした。

 風が髪をなでてゆく。

 夏が身体にぶつかってくるようで心地よい。

___今日こそは蓮に会おう

 目を閉じて、自分にそう誓う。

 逃げてばかりなのは、もう終わりだ。

 そう決めると、力がわいてくるような気がした。