とぼとぼと学校まで向かう。

 早く未練解消を終わらせたい気持ちと、勇気が出ない臆病さ、この世から離れたくない気持ちがせめぎあっているかのよう。

「クロがいればな・・・」
今になって気づいても遅い。怒らせちゃったのは私だ。

 校門をくぐると、ふと思いついて私は校舎のほうへ足をすすめた。

 夏休みだけあって、校舎の中には人影はない。

 ゆっくり階段を登る。

 手に触れる壁が冷たい。

 屋上のドアにはやはり鍵がかかっていたので、すり抜けて外に出た。