女の方にまた聞く。
「今はラブラブでもさ、数年すれば飽きられて他に女つくっちゃうかもよ~。この家買ったって、新しい女に乗っ取られたりして」

「わぁ、キッチン広い~」
女が男の腕をすり抜けて、キッチンに駆け足で向かう。

「走り方がいかにも『私かわいいでしょ』っぽくてキモいよ。すぐに老化するんだから、やめた方がいいよ」

「こういう家が理想だったの~。ほら、お庭も!」

「お庭って言い方サムいんですけど~」

「ねぇ、マー君も見て見て」
窓ガラスに両手をつけて男の方に言う。

 むなしさがこみ上げる。

 なんて、幸せそう・・・。