「涼太君は、この子たちのことが心配だったんだね」
涼太の肩に手を置き、一緒に中を見る。金色に輝くウサギの赤ちゃんを涼太がやさしそうに見守る。

「もう生まれるかもって先生が言ってたから、僕ずっと気になってたんだ」
その横顔は幸せそうな金色に包まれていた。

 ゆらゆらと揺れるその光は、やがて静かに夜が終わりを告げるように消えていった。

 カクガリが涼太の前に片膝をついて座る。
「涼太、よくやったな」

「うん。でも・・・僕は、これで消えちゃうんだね」
何かを悟ったように、涼太はまっすぐにカクガリを見た。

「違う。これから次の世界に行くんだ。そこからこの世界を見ればいい」

 カクガリはやさしく微笑んだ。

 涼太が私を見る。その目は、子供のそれとは違い落ち着いた深い色をしているに見えた。