「村松さん・・・」

 母親は静かに微笑むと、
「悲しいなら悲しいでいい。でもお願いします、もう自分を責めるのはやめましょう。私もやめたんです。それが涼太のためだと思うから」
と言った。

 微笑むその顔に、涙がひとつ頬を流れた。

 麻紀子が唇を強くかみしめ、そしてうなずいた。

 何度も何度も、強く。