触れることのできないその身体の前で、涼太は何かに耐えているかのように歯をくいしばっている。

 カクガリを見ると、複雑な表情でただふたりを見ているだけだった。

「カクガリ、光が」
彼女も、そして涼太からも光は見られなかった。

「ええ、光っていませんね」

「未練は先生ではないのか・・・。困ったね」

「はぁ・・・」
疲れたように肩を落としている。

「蛍。センセどうして泣いているの?」
いつのまにか涼太が私のそばにきて見上げていた。

 まっすぐな視線に言葉がつまる。

___あなたが死んだからよ

 そんなこと言えるわけがなかった。

 私が何も言えずにいると、涼太はその場にしゃがみこんだ。泣きそうになるのをこらえているようだ。