まるで吹雪の中にいるように身体が震える。

「さむいよう」

 クロは鼻からため息をつくと、
「まったく、こりないヤツだな」
と言うなり私を引き寄せ抱きしめた。

 意外にもクロの身体はあたたかかった。

 目を閉じていると、寒気もおさまり心も落ち着いてくるようだった。

「他意はないからな。勘違いすんなよ」

「うん、分かってる」

 父も母も、クロが前に言っていたように、私の死を乗り越えようと必死なのだ。

 子供の死を親が悲しまないわけがない。

 平気そうな顔をしているだけなのだ。

 そうに決まってる・・・。