抱きしめる感覚がだんだんと薄れてゆく。

 同じように感じたのだろう、栞がハッと息を呑むのが分かった。

 ゆっくりと栞が身体を離して私を見る。

「ずっと・・・友達だから、ね」

「もちろん」
そう言って私が笑うと、唇を震わせながら栞も笑って首をかしげた。

 お互いの身体を包んでいた光がすいこまれるように消えてゆき、暗闇が訪れた。




 公園の小さな明かりだけが、声を押し殺して泣く栞を照らしていた。