そう考えると、一気にどうでもよくなってきた。

「…はい」

「マジ？やった。 また連絡すんね」


先輩が携帯を開いて、なにやら操作をする。
その携帯が私と同じ、いわゆる"ガラケー"であることに気付いて少しだけ親近感が湧いた。


「…先輩、スマホじゃないんですね」

思わずそう声を掛けると、先輩が「ん？」と携帯から顔を上げた。

「あー。今皆アレだよね。でも俺は、カチカチ打てる方が好きでさ。今のやつ気に入ってるし」

「同感です。私もなんか替える気になれなくて」

「少し押しただけで文章消えちゃったりしたら本当にストレスだよな」


そう笑う先輩を見て、最初に抱いた"チャラそう"というイメージは消えていった。


人は見かけで判断するものじゃない。