――走れば、少し汗ばむ季節。 葉が青くなり、雨が多くなるちょうどこの季節の真ん中になると。 ふと思い出すことがあります。 それは蓋を開けるたびに胸が痛くなって、目を塞ぎたくなるような自分です。 あの頃の俺は本当に愚かで。 今の自分からしたら、一発どころか二発も三発も殴りたくなります。 …だけど、 そんな思い出なのに蓋を開けてしまうのは、 そこにはきらきらした宝物も入っているから、なのです。