―――唯一不満があるとすれば、
マリナさんが恋愛中の男を家に連れ込むことぐらいかな。










「あたしはねー、いいと思うんだよね。中川先輩」

学校の帰り道、美奈子と有紗(ありさ)と三人で肩を並べながら歩いた。

１年のときには入学時から人見知りが炸裂して、友達が出来なかった。
私は 見た目がクールで、無口だと余計に冷たい印象まで与えるらしく、ただの人見知りなのに誤解されて一匹狼になってしまった。

２年でクラス替えをしてから、同じ間違いは犯すものかと意気込んで、隣の席の子に頑張って話しかけた。

それが、美奈子。
有紗は美奈子の、１年のときからの友達。

それからはなんとなく一緒にいるけれど私は未だにクラスメートと友達の線引きがわからない。
確かにわかることは、美奈子と有紗は確かに仲良しで、その間に入り込めない瞬間というのがたまにある。

だから私は未だに二人をクラスメートだと心の中で分類している。

友達は、マリナさんぐらいしかいないかもしれない。
あとはアユミちゃんか。