それを考えると、妙におかしくて。
自然と頬が緩んでいることを自覚しつつ、学校までの道を走った。









――ガラッ


ホームルーム開始の、15分前。
教室に入った感じはいつも通りだった。


だけど。
鞄を置いて席について。

しばらくして、なんとなく違和感に気づく。






…そうだ。



私は教室の斜め前のほうに目をやった。
有紗の席に美奈子がいて、何やら楽しそうに話している。


いつも、朝は「おはよーユッキー」と寄ってきてくれたのに。

有紗は来なかったけれど、美奈子だけは。
毎朝私に声をかけてくれていた。

でも、私が入ってきたことに気づいていないかのように、今日は寄ってくる気配がない。




…気づいて、ないのかな?



そう考えて、思い切って二人に歩み寄った。
「えー、なにそれー」と笑っていた美奈子が、ふと私に気づいて視線をこちらに向ける。


「あ、おはよ…」

笑顔で、そう手を上げたけれど。