新しい商品の仕入れの関係で、いつもよりも少し帰るのが遅くなってしまった。

おまけにコンビニに寄ったせいでさらに時間は過ぎ、もう時計は9時を回っている。


確か朝、8時過ぎには帰ると冬眞に言ってきたはずだけど、随分とその時間を過ぎてしまったみたいだ。


だけどもわたしは仕事をしていたわけだし、コンビニにだって、冬眞の下着が必要だと思って買いに行ったわけだし。

男物のパンツを買うのがどれだけ恥ずかしかったかわかるのか。

って、なんだかひとりで意味もなく言い訳を考えてみたり。


そもそもわたしがあいつに言い訳をしなければいけない理由がないんだった。

あいつはただの迷惑千万で正体不明の居候。

あいつがわたしに気を使うなりおいしいごはんを食べさせるなりちょっとした謝礼を支払うなりするのは当たり前かもしれないけれど。

わたしがあいつのことを気に掛ける義理も理由も、塵ほども見当たるはずはないんだ。


むしろ、もう、わたしの家にはいなかったりして。

盗めるもんもないし金持ってないし口うるさい女だしってことで、出て行ってたりして。


そんな、感じ、だったり、して。


「……あ」