わたしたちはふたりでひとつ。
どんなときでも側に居た。
いつも手をつないで、どこにだって一緒に行って。
それぞれ違う思い出を作ったら、分け合うみたいに教え合った。
わたしの世界にきみは居た。
きみの世界にわたしは居た。
いつだって側に居た。
そのために、一緒に生まれた。
ずっと、どこまでも、寄り添い合って生きるために。
わたしたちは、生まれる前から側に居た。
きっと、前世は、ただひとりの人間だったんだろう。
寂しかったのかもしれない。
誰も側に、居なかったのかもしれない。
だから今度は、別々の人間に生まれた。
性別すら違うまったく別の人間。
だけど、おんなじ生き物。
離れることのないように、寂しくなんてならないように。
ミジンコみたいにちいさなときから、
春霞は、わたしの、隣に居た───