センサーがわたしの動きを感知して扉を開けてくれた。
そうだ、これがわたしの世界。
所詮、この世界なんてすべてが造りもの。私の周りにあるのは全てが嘘つきで、私の目にするものはすべて偽もの。私にとって、ほんとうのものなんて、私しかない。
そうだ、ほんとうのものなんて、わたししかありえない。
この周りにあるものは、全てわたし以外のもの。
だけどそこにある、不確かで曖昧なものも、わたしは感じたい。
不思議と、顔の筋肉が緩んでいった。
まるでヤマギワと対になるように。
もうすぐ太陽の消える愛おしくて憎たらしい世界に、わたしは笑ったまま飛び出した。