仰向けになり腕を伸ばす。

ぼんやりと浮かぶ黒の手袋。

それをそっと外してモニタの灯りにかざす。

もう死んでしまった、過去に生きていたものの皮の匂いが立ち昇る。
 

この学園に入ることが目的だった。

入ったあとのことなど考えていなかった。

結果、わたしはこうして、自分に目を背けて生きている。
 

手の甲から指にかけて巻きつくそれが、わたしを食い殺してくれる蛇だったらいいのに。

そう思いながら、わたしはゆっくりまぶたを閉じた。