問題。

ふと考える。それって一体なんだろう。
 

ナギ・ユズリハにとってはなにが問題だった?

絵を描き続けること?

違う。たぶんそれは違う。
 

じゃあわたしにとっての問題は?

欠陥品であること?

違う、たぶんこれも違う。


「お前はさ」ヒノエの辛辣でいてやさしいことばが続く。

「下手に自分にプライドがあるから迷うんだよ。そんな馬鹿みたいなもんさっさととっぱらって、すこしぐらい、本気になってみたら」

 
ああそうだ、わたしたちはいつだって自分はひとりだと思っていた。
 

ほんとうは違うのに。

わたしに至っては、目の前にこんなに憎たらしい幼馴染がいるっていうのに。