謹慎の一週間、この寮にはわたしとキッカとナギ・ユズリハだけ。

そう、それがもうひとつ。

微々たる期待、淡い想い。

あの名の持ち主は、どんな人間だろうか。


これでナギ・ユズリハがマジョリティであれば、わたしは小さな絶望を味わうだろう。

でもそれはしかたがないこと。

彼らは頭が良い。

それはけして勉強ができるというだけの話ではない。

自分に不易なものはさっさと切り捨てる能力が高いのだ。
 
 
ときどき、わからなくなる。

わたしはジーンリッチとして生まれたかったのか。
 

当然、彼らにだって個性はある。

博愛精神に優れたものもいる。犯罪組織に入るものもいる。

モラルや思想は生まれる前からついてくるものではない。

彼らだって人間には違いない。

集団の中に埋もれるのも、突出するのも、彼らの生き方だ。
 

だけど、わからない。

わたしは彼らと一緒でいたかったのか。

いつも迷う。そしてどうにもならない答えにたどりつく。
 

わたしは欠陥品という、片や笑われ、片や不憫に思われる中途半端さが嫌なのだろうと。