モンステラとグリーンのアンスリウム、黄色のスプレーバラにガーベラ、オンシジューム、モカラにアルストロメリア。
様々な花を賑やかに組み合わせたアレンジを、透明のフィルムとリボンでラッピングすると、絵美はふうとため息をついた。
「できました」
「いいじゃない。素敵よ」
「ありがとうございます。…本当に、店長ひとりで行って大丈夫ですかね…」
絵美は本日3度目になる台詞を心配そうに呟いた。
「もう、心配性なんだから。大丈夫よ!」
真希は笑顔でそう答え、完成したアレンジと注文書を抱えると、「じゃあ、行って来るわね。何かあったら携帯に連絡ちょうだい」そう言って、店を後にした。
真希の後ろ姿を心配そうに見詰める絵美の首元で、指輪の通された金色の細いチェーンがきらりと輝いていた。


