武に背中をシャワーで流してもらいながら、真希は父親のことを考えていた。
本当に、あの花を届ければ父に会えるのだろうか。
自分の父親であり、母の愛した人であり、自分の愛した太一の父親である人に、会えるのだろうか。
だれがそんなことをしたのだろう。
自分と父を会わせようなどと、誰が考えたのだろう。
背中を流していたシャワーが壁に掛けられ、武の掌が真希の首筋を撫でる。
もう片方の手は真希の胸の頂点を優しくなぞり、真希は思わず吐息を漏らした。
シャワーの水しぶきを浴びながら、武は壁にもたれかかって真希を優しく抱き寄せ、まだ泡の残った太腿に脚を絡ませる。
「俺にはもう、真希しかいないんだ…」
「お願いだから、どこにも行かないでくれ」
武の声がシャワーの音とともにバスルームに響き渡り、真希は静かに目を閉じた。


