母親と祖母が眠る小さな墓は、丁寧に美しく磨かれ、花が供えられ、まさについ何日か前、お盆のあいだに誰かが参った後のようだった。
「…どうして…?」
いったい誰がこんなことをしたのだろう。
ひとりぼっちなはずの自分に、母親の墓参りをする家族はもういないはずなのに。
ピカピカに磨かれた美しい墓を眺めながら、真希はぼんやりと考えた。
まさか、父親が、母を捨てたはずの父親が?
まさか、そんなはずはないと真希は思った。
自分が産まれてから一度たりとも自分に会いに来なかった父親に、そんな人並みの人情があるとは思えない。
真希は自分の持って来た花と、暑さで痛みかけた花と水を取り替え、墓石の前にしゃがみ込むとゆっくり目を閉じて手を合わせた。
「お母さん、いったい誰が来てくれたの?」


